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広島地方裁判所 昭和42年(行ウ)38号 判決

広島市翠町一五九六番地の四

原告

株式会社東邦実業

右代表者代表取締役

山本巌

右訴訟代理人弁護士

内堀正治

広島市字品東六丁目一-七二

被告

広島南税務署長

河村文夫

右指定代理人

片山邦宏

右同

井上正雄

右同

高橋竹夫

右同

久保義夫

右同

三宅正行

右同

高木茂

右同

田原広

右同

常本一三

右同

広光喜久蔵

右当事者間の頭書請求事件につき当裁判所は審理のうえ次のとおり判決する。

主文

原告の昭和三九年四月一日から同四〇年三月三一日までの事業年度の法人税について、被告が昭和四一年五月三一日付をもつてなした原告の同年度分の所得金額を金一五七万八、九二五円(但し、審査請求に対する広島国税局長の裁決によつて一部取消がなされた後のもの)と更正した処分は、そのうち所得金額金一〇七万五三三一円を超える部分につき、これを取消す。

原告のその余の請求を棄却する。

訴訟費用はこれを二分し、その一を被告の、その余を原告の負担とする。

事実

原告

被告

(請求の趣旨)

(請求の趣旨に対する答弁)

被告が昭和四一年五月三一日付をもつて、原告に対してなした原告の昭和三九年四月一日から同四〇年三月三一日までの事業年度分の所得金額を金四、六一二、五二二円と更正した処分(但し審査請求に対する裁決により金一、五七八、九二五円と変更)のうち金六五万一七二六円を超える部分はこれを取消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

(請求の原因及び被告の主張に対する答弁)

(請求の原因に対する答弁及び主張)

一、原告は貸金業を営む法人であるが、被告(但し当時の管轄庁は広島東税務署長、以下同じ)に対し、昭和三九年四月一日から昭和四〇年三月三一日までの事業年度(以下本件事業年度という。)分の所得金額金六五万一七二六円の法人税確定青色申告をした。

一、認める。

二、被告は昭和四一年五月三一日付で原告の本件事業年度分の所得金額を金四六一万二五二二円と更正する処分(以下本件処分という。)をしその旨原告に通知して来た。

二、認める。

三、原告は右処分に対し昭和四一年六月三日、被告に対し異議の申立をしたが被告は同年七月二〇日右申立を棄却した。

三、認める。

四、そこで原告は、同年八月八日付で広島国税局長に対し、審査請求をしたところ、同局長は、原処分の一部を取消し、原告の本件事業年度分の所得金額を金一五七万八九二五円と裁決し、右裁決は昭和四二年八月二九日原告に通知された。

四、認める。

五、本件処分は、原告が訴外有限会社山本製缶(以下訴外会社という。)に対する貸付金のうち金三五万円を貸倒金として損金に計上した行為を否認し、又原告の訴外山本博明に対する貸付金の利息相当額として金七七万九〇五九円を算出し、右金員を益金として計上したものである。

五、認める。

六、しかしながら、被告が原告の右損金処理行為を否認したこと並びに金七七万九〇五九円を益金として計上したのは誤りである。即ち

六、争う。

(一) 原告は昭和三六年一二月二〇日訴外会社に対して同社の代表者山本信人の個人保証のもとに金四五万円を貸付けたが、その後同社は事業不振に陥り、昭和三八年頃には、不渡手形を出す状況となつた。そこで原告は同社に対し、しばしば貸付金の返済を求め、債権の回収に努力したが昭和三八年一二月一六日右貸付金のうち金一〇万円の返済を受け得たのみであり、保証人の山本信人も無資力で残償権の回収は到底不可能となつたので、原告はこれを損金に計上したものである。

(一) 原告が、その主張日時に、訴外会社に対し、同社の代表者山本信人の個人保証のもとに金四五万円を貸付け、昭和三八年一二月一六日に、金一〇万円の返済を受けたことは認めるがその余は争う。

訴外会社は、広島市元字品町字新地四八〇番地の一に作業場兼居宅を所有しており、右建物には原告の同社に対する、別口の債権金八〇万円を担保する根抵当権が設定されていたが、右建物の実価は金八〇万円をはるかに越えており、債権の回収は不可能ではなかつた。

又原告は、保証人である山本信人に対して何らの債権回収手段も講じていない。

(二) 別表一記載の事実並びに利息計算欄、摘要欄の利息を徴収していないことは被告主張のとおりであるが、山本博明は、昭和三九年六月頃から利息を支払わなくなつたので、原告はたびたび元利金の支払いを請求した。ところがそのうち同人は、国税や県税の滞納処分により別表二のとおり全財産を差押えられてしまつたので原告は元利金の支払いを受けることは全く不可能となつてしまつたのである。

成程原告は、別表一返済欄のとおり元金の回収をしたが、右元金の回収のうち、昭和四〇年二月一二日の金七〇万円及び同月二二日の金二〇万円は、原告が訴外有限会社みどり商会に債権譲渡した代価として同会社から支払を受けたものであり、同月二四日の金一三七万円(金五五万円と金八二万円)は、原告の代表取締役である山本巖が山本博明の実兄であるところから会社に対する責任上代払いしたもので山本博明から支払われたものは一銭もない。又残債権金三〇万円について利息を計上したのは原告が良心的に未収利息を計上したものであり、該当利息はいまだ未収である。

(二) 原告は別表一のとおり山本博明に対し金員を貸付けその返済を受けている。しかるに、利息計算欄、摘要欄の利息を徴収していない。

ところで益金の計上は現金主義によらず権利確定主義(債権が発生し法律上その権利行使ができる時期に益金計上をすべきであるという考え方)によるべきであるから、被告は、約定に基き期間の経過とともにすでに発生している利息を益金に計上したものである。

そして、未計上利息の合計額は、別表一のとおり金七八万六八九〇円となるから、その範囲内である金七七万九〇五九円の加算は適正である。

(利息制限法超過の未収利息に対する課税の適法性)

利息制限法を超過する約定利息もその約定が法律上の効力と同様に当事者を事実上強く拘束し、その約定に基いて従来から利息が支払われていたような場合には、その約定利息は時の経過とともに当然に発生し貸主は利息相当の経済的成果を取得していると言えるから、その経済的成果の取得(発生)が係争事業年度に帰属するものは、その年度の益金として計上されるべきであつて、この理は、利息が現実に支払われたか否かに左右されないのである。

(債務者の財産が差押えられたとの点について)

別表二記載の事実はすべて認める。

山本博明はスマートボール機の製造販売等の事業を行つており、このような場合には、たとえ全財産が自己の債権に優先する債権によつて差押えられたとしても、債務者の資力回復の可能性が残されているから取立不能として処理するのは尚早である。

七、すべて認める。

七、(一) 原告は係争年度の確定申告書において、前期以前に否認されたが当期には認容されるべき損金として金一〇〇万九六五二円を計上しているがこれは金一一三万九六五二円が正しいので控除不足のあつた金一三万円について減額した。

(二) 控除不足の事業税金七万一八六〇円を減額した。

八、争う。

八、以上により原告の本件事業年度分の所得は金一五八万六七五六円となる。

651,726+(786,890+350,000)-(130,000+71,860)=1,586,756

従つて右の範囲内でなした本件更正処分に誤りはない。

(証拠)

(証拠)

甲第一、二号証、第三号証の一ないし三を提出し、証人山本博明、同山本信人の各証言ならびに原告代表者尋問の結果を授用し、乙第五号証の成立ならびに乙第六号証の原本の存在および成立はいずれも不知、その余の乙号各証の成立はすべて認める。

乙第一号証の一ないし六、第二号証の一、二、第三号証、第四号証の一ないし三、第五ないし第七号証、第八号証の一ないし五、第九号証、第一〇号証の一ないし五を提出し、証人永田樟男、同重住進の各証言を援用し、甲号各証の成立はすべて認める。

理由

一、原告は貸金業を営む法人であり、被告(但し当時の管轄庁は広島東税務署長、以下同じ)に対し原告の昭和三九年四月一日から昭和四〇年三月三一日までの本件事業年度分の所得金額を金六五万一七二六円とする法人税確定青色申告をしたところ、被告は昭和四一年五月三一日付で右所得金額を金四六一万二五二二円と更正する処分(本件処分)をしたこと、原告は右処分に対し同年六月三日被告に異議の申立をしたが、被告は同年七月二〇日右申立を棄却したため、原告はさらに同年八月八日付で広島国税局長に対し審査請求をしたところ同局長は原処分の一部を取消し、原告の本件事業年度分の所得金額を金一五七万八九二五円とする旨裁決し、同裁決は昭和四二年八月二九日原告に通知されたことは、いずれも当事者間に争いがない。

二、右審査請求に対する裁決により一部取消された部分を除く本件処分は、原告が訴外有限会社山本製缶(訴外会社)に対する貸付金のうち金三五万円を損金に計上した行為を否認し、又原告の訴外山本博明に対する貸付金につきその利息相当額として金七七万九〇五九円を本件事業年度における益金に計上したものであるのに対し、原告は、被告の右処理はいずれも誤りであり、原告の訴外会社に対する前記貸付金あるいは山本博明に対する前記利息相当額の回収は、右各貸付先の事業不振等により全く不可能であつた旨主張するので、以下これらの点について判断することとする。

(1)  まず、本件処分が原告の訴外会社に対する貸付金のうち金三五万円につき損金計上を否認したことが正当であるかどうかについて考える。原告が昭和三六年一二月二〇日訴外会社に対し同社の代表者山本信人の個人保証のもとに金四五万円を貸付け、昭和三八年一二月一六日に右貸付金のうち金一〇万円の返済を受けたことは当事者間に争いがないところ、成立に争いのない甲第一、二号証、第三号証の一ないし三、乙第一号証の六、第二号証の二、第三号証、証人山本信人、同永田樟男、原告代表者尋問の結果を総合すると次の事実を認めることができる。訴外会社が原告より前記金員を借受けた昭和三六年頃同会社の事業経営は順調であつたが、昭和三八年頃小切手の不渡りを出すに及んで同会社の経営状況は悪化し、多額の借財を負つて債務超過の状態となつた。しかし同会社の事業は、昭和四一年八月頃までなお続けられ、その事業収入により材料費の支払や借入金の利息の支払等もなされていたこと、原告は同会社に対する別口の手形債権等の担保として昭和三六年一二月二〇日に訴外会社所有の広島市元宇品町字新地四八〇番地の一所在の作業場兼居宅(鉄骨一部木造スレート葺二階建床面積合計一六〇、七八平方メートル)について債権極度額を金八〇万円とする順位一番の根抵当権設定登記を得ていたところ、同建物について昭和四〇年二月九日原告から任意競売の申立がなされ、同年九月一七日原告自らこれを競落するに至つたが、右競落価額は金一一六万七〇〇〇円であり、又当初裁判所により定められた右競売の最低競売価額は金一四五万九二〇〇円であつたこと、原告は右競落後の昭和四一年一月一〇日頃右建物を金一六〇万円で他へ売却していること、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。

右認定の事実によると、本件事業年度の当時訴外会社の経営状態はかなり悪く、債務超過の状態に陥つていたけれども、事業はなお続けられていて収入もあつたうえ、原告は同会社に対する別口の債権の担保としてではあるが、同会社所有の建物について順位一番の根抵当権設定登記を得ており、同建物は当初裁判所の定めた最低競売価額や原告の競落価額あるいは原告がのちに他へ売却した価額等からすると、相当の価値を有していたものと思われ、これらの点を併せ考えると、訴外会社がなお事業を継続し、前記担保物件についても最終的な処分がなされていない本件事業年度において、前記貸付金を回収不可能として処理することは時期尚早というべく、同事業年度において前記貸付金の回収の可能性は未だ存在していたものと考えるのが相当である(現に、原告は前述したとおり前記建物の競落後これを競落価額をはるかに超える価額で他へ売却しているものであり、原告の主張する別口債権の元利金を差引いたとしても実質的には右売却代金から殆んど前記貸付金の回収をしたとも考えられないではない。)。したがつて、本件処分が右事業年度における原告の前記貸付金の損金計上を否認したことは相当である。

(2)  次に、被告が原告の山本博明に対する貸付金について利息相当額として金七七万九〇五九円を益金として計上したことが正当であるかどうかについて考える。別表一記載のとおり原告が山本博明に対しそれぞれ金員を貸付け、その各未収利息額が同表の利息計算欄、摘要欄記載のとおりであり、その合計額が金七八万六八九〇円となること、ただし右貸付金の元本については、原告は、残金三〇万円を除きすべてこれを回収していること(もつとも、原告は右元金の回収について山本より支払を受けたものは一銭もなく、同人に対する貸付金債権の一部を他へ譲渡してその代価として得たものや原告代表者自身が立替支払をしたものである旨主張する。)は当事者間に争いがないところ、成立に争いのない、乙第一号証の二、第四号証の一ないし三、第七号証、第八号証の一ないし五、第九号証、証人重住進の証言により真正に成立したことが認められる乙第五、六号証(乙第六号証については原本の存在も認める)、証人永田樟男、同重住進、同山本博明(後記信用しない部分を除く)の各証言、原告代表者尋問の結果(後記信用しない部分を除く)によれば次の事実が認められる。山本博明は、昭和三八年頃同人に対する所得税、物品税、事業税等の滞納処分によりその所有にかかる不動産、動産、債権等全財産について税務署の差押を受け(右滞納処分の状況が別表二記載のとおりであることは当事者間に争いがない。)、その頃より同人経営にかかるスマートボール機の販売を業とする会社の業績も不振となり、その債務等の支払も滞りがちとなつたが、山本博明はその後もなお他人名義を使用する等してスマートボール機の製造販売業を続け、また同人が従来から広島市内の繁華街で営んできたバーの経営も本件事業年度後の昭和四一年七月頃までなお継続していたこと(尤も右経営は、昭和三八年二月頃から同四一年七月閉鎖される迄山本巌の厳重な経営管理のもとに行なわれていた)、山本博明は本件事業年度の当時別表二の差押財産欄記載のとおり不動産、動産、債権等を有しており、これらの財産については前記のとおり滞納処分による税務署の差押がなされていたが、その一部について公売処分がなされたのは本件事業年度後であり、本件事業年度においては何らの処分もなされていないこと、右財産のうち不動産(建物)は、その敷地利用権の価額も含めると相当の価値を有するものであつたこと、山本博明は本件事業年度中に同人所有の同市田中町三四六番地所在の建物の一部を他へ賃貸し、その家賃収入として毎月八万円の収入を得ていたこと、以上の事実を認めることができ、右認定に反する証人山本博明の証言ならびに原告代表者尋問の結果の各一部はいずれも信用できない。

右認定の事実によると、山本博明の経営にかかる会社等が本件事業年度においてかなり窮状にあり、また同人所有の全財産も国税等の滞納処分による差押中で、原告が山本より本件の各未収利息を徴収することは比較的困難な状態にあつたことが窺われるが、右事業年度において右差押財産の公売処分は未だ全くなされておらず、しかも同財産は相当の価値を有するものであつたこと、また右山本が従来から経営している会社、バー等も右事業年度においてなお継続されていること等の点を考え併せると、原告の山本博明に対する貸付金元本の回収の状況が原告の主張どおりであるとしても、前記各未収利息の回収が本件事業年度において全く不可能かあるいはこれが著しく困難な状況にあつたと認めることはできない。

しかしながら、本件の各未収利息は別表一の利率欄記載のとおり日歩一三銭ないし一五銭として約定されており、右はいずれも利息制限法所定の制限を起えるものであるところ、このように法定の制限を超えて約定された利率に基づいて算出された利息額をそのまま未収利息として益金に計上することには問題がある。思うに利息制限法違反の超過利息については元来その利息の約定は無効であつて貸主が未だそれを収受しない段階においては貸主の方から権利の行使を法律上強行しうる可能性はないのであるから、貸主が現実に超過利息を入手した場合その他これと同視すべき場合を除いて、収入すべき金額が確定したとは認められず、従つてその段階における年度の益金を構成するものではないと考える。ところで本件において原告は別表一記載の各貸付金につき従来山本博明から約定どおりの制限超過利息の支払を受けていたこと、右貸付金のうち元本の残額金三〇万円については原告自身本件事業年度末までの利息を約定どおりの制限超過利率をもつて算出してこれを益金に計上していること(以上争いのない事実)、原告は本件以外にも多数回にわたつて制限超過の利率をもつて他に金銭貸付をなし、右約定に基づく利息額をもつて益金として計上し、税務署に確定申告していること(成立に争いのない乙第一〇号証の一ないし五)などの諸事実も認められるが、これらの事情はいまだもつて貸主たる原告が前記約定にもとずいて算出した各利息を現実に入手したと同一視すべきものと認むるに足りないから、前記未収利息金額のうち制限利率超過部分についてはやはり益金を構成しないと言うべきである。

しかして、制限超過の約定利率によつて算出した別表一記載の各未収利息の合計額の内未収利息相当額として金七七万九〇五九円を原告の本件事業年度における益金に計上した本件処分は、制限利率を超える部分については違法があると言うべく、いま右各未収利息について、別表一の利息計算欄および摘要欄記載の各金額、日数を基礎に、所定の制限利率にしたがい各未収利息額を計算すると、左記のとおり、その合計額は金二七万五四六五円となる。

別表1の〈1〉 〈省略〉

〃 〈2〉 〈省略〉

〃 〈3〉 〈イ〉 〈省略〉

〈ロ〉 〈省略〉

〈ハ〉 〈省略〉

〈ニ〉 〈省略〉

〈ホ〉 〈省略〉

(注) 上記各金額に対する制限利率はいずれも年1割8分であるから、これを日歩4銭9厘3毛に換算して計算した。

したがつて、本件処分が前記のとおり未収利息相当額として益金に計上した金七七万九〇五九円は、右金二七万五四六五円の限度でこれを益金に計上すべきものと考える。

三、原告の本件事業年度分の確定申告書上に計上された損金の額に控除不足があり、さらに金一三万円の損金額を加算すべきこと、ならびに右事業年度分において事業税金七万一八六〇円をも控除不足として減額すべきものであることは、当事者間に争いがない。

四、そうすると、原告の本件事業年度分の所得は、原告の申告所得金額金六五万一七二六円に、前記訴外会社に対する貸付金の損金否認額金三五万円および前記山本博明に対する貸付金につき制限利率によつて算出した各未収利息の合計額金二七万五四六五円をそれぞれ加算した金額より前記損金加算額金一三万円および事業税金七万一八六〇円をそれぞれ控除した金額金一〇七万五三三一円となることが明らかであり、したがつて、原告の同事業年度分の所得金額を金一五七万八九二五円(但し、審査請求に対する広島国税局長の裁決によつて一部取消された後のもの)とした本件処分のうち、右金額を超える部分は違法として取消しを免れない。よつて、原告の本訴請求は右限度において理由があるから、これを認容すべきも、その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条をそれぞれ適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 加藤宏 裁判官 海老沢美広 裁判官 森下康弘)

別表1

山本博明に対する貸付金利息計算書

〈省略〉

別表二

一、山本博明に対する国税の滞納処分の状況

〈省略〉

〈省略〉

二、山本博明に対する県税の滞納処分の状況

〈省略〉

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